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配偶者ビザ

【配偶者ビザ】取得の条件は?審査で見られる6つのポイント|行政書士監修

公開日: 2026-02-07
行政書士 青島一平

行政書士監修

あおしま行政書士事務所

代表 青島一平

この記事は一般的な参考情報であり、法的助言ではありません。個別のケースについては行政書士等の専門家にご相談ください。

配偶者ビザ(日本人の配偶者等)とは

配偶者ビザ(正式名称:在留資格「日本人の配偶者等」)は、日本人と法律上の婚姻関係にある外国人が日本で暮らすために必要な在留資格です。この在留資格を取得すると、就労制限なく日本で活動することができます。

申請は、状況に応じて以下の3種類に分かれます。

  • 在留資格認定証明書交付申請(COE) — 配偶者が海外にいる場合に、日本への呼び寄せのために行う申請
  • 在留資格変更許可申請 — 配偶者がすでに日本にいて、別の在留資格(留学、技術・人文知識・国際業務など)から切り替える場合
  • 在留期間更新許可申請 — すでに配偶者ビザを持っていて、在留期限が近づいている場合

入管(出入国在留管理庁)がこの在留資格の審査で見るポイントは、大きく6つに分けることができます。この記事では、行政書士監修のもと、その6つの審査ポイントを詳しく解説します。


ポイント1:法律婚の成立が絶対条件

📖このセクションで分かること: 配偶者ビザの大前提となる「法律婚」の条件と、よくある落とし穴について。

配偶者ビザを申請するためには、法律上の婚姻が成立していることが絶対条件です。これは他のどんな条件よりも優先される前提条件であり、この条件を満たしていなければ、審査のテーブルにすら上がることができません。

事実婚・内縁関係では申請できない

日本の入管法において、「配偶者」とは法律上の婚姻関係にある者を指します。同棲(いわゆる事実婚・内縁関係)や婚約の段階では、配偶者ビザの申請はできません。

前婚がある場合は離婚手続きの完了が必須

日本人側・外国人側のいずれかに前婚がある場合、その離婚手続きが法的に完了していることが必要です。離婚手続きが未完了の状態では、法律上の重婚となるため、新しい婚姻が有効に成立しません。

国際結婚特有の注意点

国際結婚の場合、日本側の市区町村役場で婚姻届を提出するだけでなく、相手国側でも婚姻手続きが必要な場合があります。国によって手続きの要件が異なるため、事前に相手国の大使館・領事館に確認することが重要です。

法律婚が成立していない状態で申請しても、門前払いになります。まずは婚姻手続きを確実に完了させることが最優先です。


ポイント2:入管法違反歴があると極めて不利

📖このセクションで分かること: 退去強制歴、オーバーステイ歴、不法就労歴、刑事罰歴が審査に与える影響について。

外国人配偶者に入管法違反の履歴がある場合、配偶者ビザの審査は非常に厳しくなります。違反の種類と状況によっては、そもそも申請自体ができない場合もあります。

退去強制(強制送還)歴

退去強制歴がある場合、上陸拒否期間中は原則として日本への入国自体が認められません。上陸拒否期間は通常5年(複数回の場合は10年)です。上陸拒否期間が終了している場合でも、審査で大幅な減点要因となります。

オーバーステイ歴

現在オーバーステイ中の場合、通常の申請手続きは利用できません。出頭申告や在留特別許可の検討が必要になります。過去にオーバーステイ歴がある場合(解消済み)も、審査上の減点要因として考慮されます。

不法就労(資格外活動違反)

資格外活動違反(認められていない就労活動)は、入管審査において重大な消極的要素として扱われます。留学生のアルバイト時間超過なども該当する場合があります。

刑事罰歴

日本国内外を問わず、刑事罰歴がある場合は審査で非常に不利になります。罪の種類や軽重、経過年数なども総合的に考慮されます。

過去に違反歴がある場合でも、状況によっては申請が可能なケースもあります。ただし、通常よりも慎重な準備と、詳細な説明資料の作成が必要です。専門家への相談を強くお勧めします。

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ポイント3:婚姻の真実性が最も重視される

📖このセクションで分かること: 入管が配偶者ビザ審査で最も重視する「婚姻の真実性」について、どのような要素が評価されるのかを詳しく解説します。

配偶者ビザの審査において、婚姻の真実性の立証は最も重要なポイントです。入管(出入国在留管理庁)の最大の関心事は、「この結婚は在留資格を得ることを目的とした偽装結婚ではないか?」ということです。そのため、さまざまな角度から婚姻の真実性を確認します。

交際期間

交際期間の長さは、婚姻の真実性を判断する基本的な指標の一つです。

  • 2年以上の交際期間があると、十分な関係の積み重ねがあると評価されやすいです
  • 6ヶ月〜2年であれば、一般的な範囲として問題にはなりにくいです
  • 3ヶ月未満の交際期間は、非常にリスクが高いと判断される可能性があります

ただし、交際期間だけで審査が決まるわけではありません。期間が短くても、他の要素で婚姻の真実性を十分に立証できる場合もあります。

対面での面会回数

特に遠距離の国際恋愛の場合、直接会った回数は重要な評価要素です。

  • 10回以上の対面、あるいは同居経験がある場合は好印象です
  • 5〜9回は標準的な範囲です
  • 3〜4回はやや少ないと判断される可能性があります
  • 1〜2回は、偽装を疑われるリスクが高くなります

オンライン(LINE、ビデオ通話等)でのやり取りは補助的な証拠にはなりますが、直接会ったことの代わりにはなりません。

コミュニケーション能力

夫婦間のコミュニケーションは、婚姻関係の基盤です。

  • 共通言語で日常会話が十分可能であれば問題ありません
  • 簡単な会話レベルでも大きな問題にはなりませんが、より丁寧な立証が求められます
  • 共通言語がなく翻訳アプリのみに依存している場合は、「本当に意思疎通ができているのか?」と疑問を持たれるリスクがあります

出会いの経緯

出会いの経緯も審査で確認されるポイントです。

  • 職場・学校で出会った場合は、自然な出会いとして好印象です
  • 友人・知人の紹介も一般的な出会いとして問題ありません
  • マッチングアプリ・婚活サイトは、現在では一般的な出会い方として認知されており、それ自体が問題になることは少ないです
  • 結婚相談所・紹介業者を経由した場合は注意が必要です。偽装結婚のルートとして利用されるケースがあるため、入管がより慎重に審査する傾向があります

年齢差

20歳を超える年齢差がある場合、それ単独で不許可になるわけではありませんが、他のリスク要因と組み合わさると偽装結婚を疑われやすくなります。例えば、年齢差が大きい上に交際期間が短く、対面回数も少ない場合は、特に注意が必要です。

証拠資料の準備が鍵

婚姻の真実性を立証するための証拠資料の準備は、審査結果を左右する重要なポイントです。

  • 異なる時期・場所で撮影した2人の写真(旅行先、食事、イベント等)
  • LINEやメッセンジャー等の通信記録(日常的なやり取りが分かるもの)
  • 渡航記録(パスポートのスタンプ、航空券の控え等)
  • 送金記録(生活費の送金等がある場合)
  • 手紙・カード等のやり取り(あれば)

写真がほとんどない場合は、婚姻の実態を疑われる大きなリスクとなります。

家族への紹介

双方の親族に紹介済みであることは、婚姻が社会的に認知されている証拠として有力です。片方の家族のみの紹介でもないよりはましですが、どちらの家族にも未紹介の場合はリスク要因となります。

結婚式・食事会の実施

結婚式の実施は必須ではありませんが、親族参加の結婚式を実施している場合は好印象です。食事会やパーティー程度でも、「何もしていない」よりはプラスに評価されます。特に他のリスク要因がある場合、「結婚式もしていない」ことがマイナスに作用する可能性があります。

離婚歴に注意

離婚歴は、特に以下のケースで入管が厳しい目を向けます。

  • 外国人側に日本人との離婚歴がある — 過去に在留資格取得目的の偽装婚姻があったのではないかと疑われやすい
  • 日本人側に外国人との離婚歴が複数ある — 繰り返し偽装婚姻に関与しているのではないかと疑われるリスク

以下の組み合わせは「レッドフラグ」として特に注意が必要です。複数該当する場合、不許可のリスクが非常に高くなります。

  • 交際期間3ヶ月未満 × 対面面会1〜2回
  • 共通言語なし × 対面面会1〜2回
  • 紹介業者経由 × 親族未紹介 × 結婚式なし
  • 外国人側に日本人との離婚歴 × 交際期間6ヶ月未満

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ポイント4:世帯の経済力を証明する

📖このセクションで分かること: 配偶者ビザ審査における経済力の基準と、年収が不足する場合の対処法について。

配偶者ビザの審査では、日本で安定した生活を送れるだけの経済力があるかどうかも重要な審査項目です。「日本に入国した後、経済的に困窮して公的扶助に頼ることにならないか」という観点から審査されます。

必要年収の目安

世帯年収の目安は以下の計算式で求められます。

必要年収 = 250万円 + 50万円 × 扶養人数

例えば、扶養なし(夫婦2人のみ)の場合は約250万円、子供が1人いる場合は約300万円が目安となります。

この年収は、日本人配偶者の年収が中心になりますが、外国人配偶者の収入も合算して評価されます。ただし、COE申請(配偶者がまだ海外にいる場合)では、外国人配偶者の「日本での就労予定年収」は不確実な要素として扱われるため、あまり高く評価されない点に注意が必要です。

年収が基準に満たない場合

年収が上記の基準に満たない場合でも、以下の方法で補完できる可能性があります。

  • 預貯金 — 200万円以上の預貯金があると、年収不足を補う有効な材料になります
  • 追加の身元保証人 — 経済力のある親族等を追加の身元保証人として立てることで、経済面の不安を軽減できます

ただし、年収が基準額の80%を大幅に下回り、預貯金も少なく、追加の身元保証人もいない場合は、不許可のリスクが高くなります。

年収基準はあくまで目安であり、世帯の総合的な経済状況で判断されます。年収が基準をやや下回る程度であれば、預貯金や保証人で十分に補完できるケースも多いです。


ポイント5:公的義務の履行は必須

📖このセクションで分かること: 住民税・年金・健康保険の納付状況が審査に与える影響と、2024年法改正の影響について。

2024年の入管法改正により、公的義務の履行がより厳格に審査されるようになりました。 以前は多少の未納があっても他の条件が良ければ許可されるケースがありましたが、現在は公的義務の未納が不許可に直結するリスクが非常に高くなっています。

審査で確認される3つの公的義務

  • 住民税の納付状況
  • 国民年金・厚生年金の納付状況
  • 国民健康保険・社会保険の納付状況

これら3つのすべてについて「完納」であることが基本です。

未納がある場合のリスク

住民税・年金・健康保険のいずれかに未納がある場合、不許可のリスクが非常に高いです。審査の段階で未納が発覚した場合、他の条件がいくら良くても大きな減点となります。

  • 遅延があったが現在は完納 — 即不許可ではありませんが、減点要因にはなります
  • 年金の免除申請済み — 正規の手続きを経た免除は問題ありません
  • COE申請の場合 — 主に日本人配偶者側の納付状況が評価の対象となります

公的義務の未納は、今すぐにでも解消すべき問題です。申請前に必ず未納がないか確認し、未納がある場合は完納してから申請することを強くお勧めします。

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ポイント6:同居の予定を明確にする

📖このセクションで分かること: 配偶者ビザにおける同居の原則と、別居が認められるケースについて。

配偶者ビザは、日本人配偶者との同居が原則です。入管は「入国後に実際に夫婦として一緒に生活する予定があるか」を確認します。

同居状況の評価

  • すでに同居中 — 最も好ましい状況です(在留資格変更・更新の場合)
  • 入国後すぐに同居予定(住居確保済み) — 問題ありません。具体的な住所を示せることが重要です
  • 入国後に住居を探す予定 — やや不利です。準備不足の印象を与える可能性があります
  • 別居(合理的理由あり) — 単身赴任等の合理的な理由がある場合、適切な説明があれば問題ないケースもあります
  • 別居(特段の理由なし) — 「婚姻の実態がない」と判断されるリスクが高く、不許可の可能性が大きくなります

更新申請の場合の補足

📖このセクションで分かること: すでに配偶者ビザを持っている方の更新申請の特徴について。

在留期間の更新申請は、新規申請(COEや在留資格変更)と比べると審査がやや緩和される傾向にあります。これは、一度許可された実績があるためです。

在留期間のステップアップ

配偶者ビザの在留期間は、以下のようにステップアップしていくのが一般的です。

  • 初回更新 — 通常1年の在留期間が付与されます
  • 2回目以降 — 問題がなければ3年の在留期間に延長されます
  • 長期安定 — 長期にわたり安定した婚姻関係が続いていれば5年の在留期間も可能です

更新時に見られるポイント

更新申請では、以下の点が重点的に確認されます。

  • 婚姻の継続性 — 婚姻関係が引き続き円満に継続しているか
  • 同居の実態 — 実際に一緒に暮らしているか
  • 公的義務の履行 — 住民税・年金・健康保険の納付が適切に行われているか

まとめ:6つの審査ポイント

配偶者ビザの審査で見られる6つのポイントを振り返ります。

  1. 法律婚の成立 — 法律上の婚姻が成立していることが絶対条件。事実婚では申請不可
  2. 入管法違反歴 — 退去強制歴・オーバーステイ・不法就労・刑事罰歴があると極めて不利
  3. 婚姻の真実性 — 最も重視されるポイント。交際期間、面会回数、コミュニケーション能力、証拠資料の準備が鍵
  4. 経済力 — 必要年収の目安は250万円+50万円×扶養人数。預貯金や追加保証人で補完可能
  5. 公的義務 — 住民税・年金・健康保険の完納が必須。2024年の法改正で厳格化
  6. 同居 — 配偶者との同居が原則。特段の理由のない別居は大きなリスク

これらのポイントをしっかり理解し、十分な準備を行うことが許可への近道です。不安な点がある場合は、入管業務を取り扱う行政書士等の専門家への相談も検討してください。

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免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。在留資格の審査は個別のケースごとに異なり、本記事の内容がすべてのケースに当てはまるとは限りません。個別のケースについては、入管業務を取り扱う行政書士や弁護士等の専門家にご相談ください。